24日の決勝はノーシード対決。立正大淞南は4年ぶり3度目、出雲は初の甲子園出場を目指す。

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24日の決勝はノーシード対決。立正大淞南は4年ぶり3度目、出雲は初の甲子園出場を目指す。
 ■元エース、投手陣の背中押す 立正大淞南・天川勇斗君「気持ちでいけよ」立正大淞南の記録員天川勇斗君(3年)が先発島心君(3年)にそっと声を掛けて送り出した。
 0―0の投手戦で迎えた五回、開星の攻撃。島君は1死二、三塁のピンチを背負った。中継ぎで登板することが多く、息が荒い。伝令が来た。「絶対に抑えろ」「(開星エースの)吉川君には絶対投げ負けない」と気持ちを入れ直した。得意の直球よりスライダーにタイミングが合っていないと感じ、腕を振った。2者連続三振で先取点はやらなかった。天川君は「かっこよかった。島なら絶対抑えてくれると思ったから緊張もしなかった」。 1年の秋、天川君は背番号1を背負って中国大会のマウンドにいた。秋の県大会準決勝を完封するなどして抜擢された。秋が終わり不調に。周りは「ナイスボール」と言うが、自分は納得がいかない。練習試合で打たれ出すと止まらなくなった。春先、太田充監督から「あとはお前だけ。復活待ってるからな」と期待された。 肩が痛かったが、無理をしてメンバー入りの「最終試験」となる松江地区大会に登板。合格した。
 次の練習で肩が上がらなくなった。監督から、メンバー外を告げられた。「家族並みに大切な仲間に今までやってもらったことはいっぱいある。今度は僕が仕事をする」と記録員になることを決めた。
 島君は「苦しんできた天川の言葉はぐさっと刺さる」。「決勝でも勝利に導けるような声掛けをしたい」と天川君。4年ぶりの甲子園を目指す投手陣の背中を元エースが押す。(内田快)